子育てのネットワークを

地域のみんなで子育てを

世田谷区の「子ども・子育て応援都市宣言」をご存知ですか?

≪子どもは、一人の人間としてかけがえのない存在です。うれしい時には笑い、悲しい時には涙を流します。感情を素直にあらわすのは、子どもの成長のあかしです。子どもは、思いっきり遊び、失敗しながら学び、育ちます。子どもには、自分らしく、尊重されて育つ権利があります。
子どもは地域の宝です。大人は、子どもをしっかり守り、励まし、支えます。地域は、子育て家庭が楽しく子育てできるように応援します。子どもは、成長に応じて社会に参加し、自分のできることと役割、みんなで支え合うたいせつを学んでいきます。子どもは、未来の希望です。今をきらめく宝です。大人は、子どもにとっていちばんよいことを選び、のびのびと安心して育つ環境を作ります。
世田谷区は、区民と力を合わせて、子どもと子育てにあたたかい地域社会を築きます。ここに「子ども・子育て応援都市」を宣言します。≫

ボーイスカウトは、一人ひとりの子どもたちが小学生から25歳になるまで、地域の大人はもちろん、同じ年代の子どもたち同士もよい仲間としてお互いに育て合える環境を提供している団体なので、この宣言に書かれていることにぴったり当てはまるのです。
家庭で育まれ、学校で学習し、地域社会では年齢差のある人々の中に身を置き、さまざまな実体験を通して自分と周りを発見しながら、力を合わせる喜びや達成感を味わうことは、バランスのよい成長のためには欠かせません。
世田谷区の考える「子どもと子育てにあたたかい地域社会」は、まさにボーイスカウトの活動を通して得られる社会そのもの。子どもも大人もそのメンバーの一人となって、より多くのつながりを紡ぎ、自分にも他の人にとっても居心地のよい場所を作っていきましょう。

 

思春期になっても

ボーイスカウト活動で顔なじみになったリーダーと保護者の話題の中心は、いつだってスカウトたち。
「こんなことが好きなんだな」「こういうことは言われたくないんだな」「今ちょっと反抗期だから、知らん顔しておこう」といったスカウト発見や「今日は○○君とずっと一緒に楽しそうに過ごしていました」「リーダーの荷物運びを手伝ってくれました」といった活動中のエピソードが、解散後のちょっとした立ち話で交わされています。
毎回の小さな積み重ねですが、そうしてできていく保護者同士、保護者とリーダーの信頼に基づいたつながりが、最も有効な子どもの見守りネットワークとなっていきます。

小さいうちは何でも話してくれた子どもたちも、思春期が近づくにつれそっけなくなり、接しにくい時期がやってきます。そんな時大いに力を発揮するのが、このボーイスカウトのつながりです。今何を考えているのかさっぱりわからない…と悩んだ時も、家庭では見られない我が子の表情や行動、素敵な一面までもリーダーやスカウト仲間の保護者から聞いてほっとした。悩んでいるのは私だけではないと安心した…という体験を持つ先輩保護者がどれだけいることでしょう。幼いころからの時間の積み重ねやつながりは、本当に心強いものだと思います。

反抗期が過ぎてしまうと「なんであんなに腹立たしかったのか、自分でもよくわからなかった」などと本人はけろりと忘れてしまう一時期ですが、多かれ少なかれ悩ましい時期の子育てを、保護者だけで抱えて孤独に陥ることはありません。
団の中にいるあらゆる方々と、ぜひ知り合って顔見知りになりましょう。大先輩もスカウトの身近なお兄さんお姉さん的な先輩も、もちろん同じように子育てに奮闘している保護者やリーダーも、「困った時はお互いさま」で助け合って過ごしています。「教えて」「話を聞いて」と一緒に子育てをしていけるつながりを、ボーイスカウトを通じて作っていきましょう。

 

大人としてのスタート

ボーイスカウトを始められるのは、子どもだけの特権ではありません。
もしまだお子さんがとっても小さい方は、ご自身が先にボーイスカウトをスタートさせ、お子さんの成長を待ってから迎え入れるのも素敵な取り組み。
子ども時代に事情があってボーイスカウト入隊がかなわなかった方や、部活との両立ができなくてやむなく退団してしまった…という方、そしてもちろんスカウト保護者となってからでも、いつからでもスタートできます。ちょっと勇気がいるけれど、思い切って「成人指導者」の道を歩き始めませんか?
スカウト経験の長さや技術の有無を誰かと比べる必要はありません。ボーイスカウト精神で暮らしていく選択は、地域の子どもたちと作り上げる心豊かな時間に、さらにはBPの残してくれた「あなたが幸せになりたければ、他の人を幸せにしなさい」の生き方につながっていきますよ。