ボーイスカウトの活動は
こんな活動をしているよ
スカウト活動は、「何をするのか」ではなく、活動した時間から「どんなことを得るか」を大切にしているので、とてもバリエーションに富んでいます。
世田谷のボーイスカウト団で行われている活動を少しご紹介すると・・・
●自然物を使った工作(どんぐりコマ・竹細工・落ち葉コレクション)
●歌(振付とともに・替え歌。多くの場合キャンプファイヤーで披露する)
●寸劇(オリジナルストーリーで演出・小道具・進行まで。クリスマス会などで披露する)
●手作りゲーム屋さん(玉入れやストラックアウトなどを作り、団まつりなどでお店を開く)
●果物や野菜の収穫体験(落花生掘り・梨狩り・じゃがいも堀・里いも掘り)
●野外料理(収穫したものを料理・焼き芋パーティー・カンガルードッグ・もちつき)
●組対抗ゲーム(帽子取り・関所ゲーム・宝さがしなど、チームワークを発揮して勝負する)
●スキー合宿(団の仲間と、あるいは隊に有志の指導者が参加し3日間スキーを楽しむ)
●スケート教室(近隣のスケートリンクに出かけ、全員が滑れるようになってくる)
●マラソン(仲間との競争ではなく、自分の過去の記録をぬりかえる)
●探検(地図を見ながら・宝を見つける・チェックポイントでの課題をこなすなど)
などなど。
そのほかにも博物館や科学館、防災館などの見学や体験もスカウト達には人気の活動です。
一つの団体で、そう高くない費用でこれだけの体験ができる場は、そうそうありませんよね。
スカウトたちが「また行ってみたい」と思えるものが並んでいるのは、スカウト教育の目的は楽しさの中から自らが勝ち取っていく環境が必要だという考えに基づいているからです。
同じ工作でも
ところで、同じ活動でも部門によってその楽しみ方がちがうのも、またおもしろいところ。
例えばカブスカウト隊。
竹で水でっぽうを作り、次の活動ではチーム対抗で一斉に水をかけて早く的を倒した方が勝ち!といったゲームに発展させることもしばしばです。
でも、ビーバースカウト隊では工作の大半をリーダーが準備しておいて、活動当日はゲームを楽しむ方に時間を使うし、逆にボーイスカウト隊では「どんな作り方をしたらよりよく水が飛ぶか」をまず研究することから始め、一歩世界を広げる道が用意されています。
同じように、募金活動も参加するだけでよしとされるビーバースカウトから一歩進み、カブスカウトは「どうして募金が必要なのかな?」「どんなふうに使われているのかな?」を調べます。
ボーイスカウトは後輩のめんどうを見ながら「もっと効果的な取り組み方はないか」を考え、関心を持ったスカウトはベンチャー隊でもっと想像を膨らませて一つのプロジェクトを立ち上げることも。
ボーイスカウト隊から始まるキャンプ準備も、また奥深いものです。
テントのたて方としまい方を知るだけでなく、かまどの作り方、薪の削り方、火のおこし方、そして料理の仕方…。
そのほかにも野外生活で健康を保つ知恵、けがをしないよう注意することや万一の場合の手当てなど、現代の便利な生活では忘れてしまっていることもたくさん含まれています。
キャンプ技術を磨き、こつをおぼえながら、周りの人の動きを観察し目標となる先輩を見つけ、自分の興味のある分野を調べ、また考えを巡らせるなど、スカウト活動から得られる心の栄養も年齢に合わせ一段と充実したものになっていきます。
楽しいだけではなく
毎回の活動を考えるリーダー会議は、どこの団でもスカウト一人ひとりの顔を描きながらその効果を考えて進めています。
スカウトの個性や興味、関心がめざめ、ぐんぐんのびていくきっかけとなるように。
年齢のちがうなかまと一緒に行動して「こんな風に過ごせばよかった」「先輩に助けられてうれしかった」「小さい子たちをどう引っ張っていけばいいのかな」と心を動かすきっかけとなるように。
周りの自然を身近に感じられるように。
そしてもちろん、「おもしろい!」「楽しい!」と感じるゲーム性を持ったものに。
たくさんのことを知ることはおもしろくまた必要なことではあるけれど、ボーイスカウトは知識にとどまらないリアルな体験を積み重ねていくことはもっと必要だと考えています。
どんな時もそれぞれに役割があって、チームの中の自分を意識しながら自主的に行動すると、少しずつ心に自信が生まれます。どのスカウトもみんながレギュラーであり主役なので、行動することから自然に責任感や協調性も育まれていくのです。
そして、どんな時も求められるのは「ちかいとおきて」や「やくそくとさだめ」。
月に2回か3回、土日や祝日の数時間の積み重ねの間に、知らず知らずのうちに「規律は守るもの」「頑張ってみれば苦手なこともできるようになる」「自分も周りの人もみんなたいせつな存在」といった感覚が根づいていくのです。