活動ニュース

真夜中の世田谷を駆け抜けろ! ~VS50㎞ONH~

2014年11月19日地区からのお知らせ


11月8日~9日にかけて、第45回世田谷地区ベンチャー50㎞オーバーナイトハイクが行なわれました。
年に一度行なわれるこの大会は、「当日参加すれば何とかなる」といった体力勝負ではありません。
事前にリーダーからなる実行委員会より発表される8桁座標を、国土地理院発行の地形図から読み取り、スタートからゴールまで、またその間に設けられるチェックポイントの場所を割り出し、さらに最短で次の目標地点まで向かうコースを何度も下見をしては作戦を立てて準備していく、ベンチャースカウトならではのプログラムなのです。

テーマは「そなえよつねに ~世田谷を知ろう~」
駒沢公園を出発して北烏山へ、次に世田谷公園へ、さらに祖師谷公園に再び北上…という
「ま、また世田谷通りを渡るの?」
と、がっくりきてしまいそうな過酷なコース。下見を何度も行った後で「心が折れそうだ…」と感想を漏らしたスカウトもいたくらいです。
実は広域避難場所がチェックポイントに選ばれています。
世田谷地区21個団の、それぞれに所属している団の周りのことはよく知っていても、意外と知らない他の地域のことをこの機会に知り、万が一の時には誰かのために力を尽くしてほしいという願いが込められています。

何度か顔を合わせているよその団の仲間と久しぶりに言葉を交わしたり、綿密に下調べをしてきて自信ある表情を見せていたり、仲間と半分ずつ自分の担当を決めて調べてきたコースを突合せたりと、スタート場所の駒沢公園は、すでに熱気でいっぱい。
スタートの合図とともに猛ダッシュで出発したスカウトもいて、この大会にかける意気込みを感じます。

団の仲間と一緒にスタートしても、それぞれのペースがちがってきて、途中で別れてしまったり、また同じペースの初めて会うスカウトと一緒に走りだしたりと、20時半にスタートして、翌朝6時半のタイムアップまでの間にさまざまなドラマがありました。
「今年こそ優勝!」
とねらっていたにもかかわらず失速してしまったり、思いがけず早い時間から足がつって苦しくなったり、あるいはチェックポイントで意外と早い順位で通過していることがわかり、気をよくして笑顔で走り去ったり。
もちろん大会中はコースパトロール車がスカウトにわからないように安全を見守っているし、各チェックポイントでは各団のリーダーたちが飲み物やアメ、クッキーなどを用意して励ましていたのですが、やはりベンチャースカウトにとって一番身近なローバースカウトがそこにいて報告を受けてくれるのは何とも言えず安堵できる瞬間だったようです。
昨年まで一緒に走っていた先輩が待ち受けているのがわかるとふっと笑顔になっているベンチャースカウトの顔を見ていると、ビーバーやカブでは自分の団の仲間がすべての世界だったけれど、ボーイ、ベンチャーと成長していくにつれ世田谷地区内外のもっともっとたくさんの仲間がふえていっている。
小さい年代でやめてしまうなんて、本当にもったいないことだと感じます。

本部は赤堤教会(9団本部)。
大会が始まるころには、それぞれのチェックポイントを通過するスカウトの動向がわかるようパソコンがセットされ、全体を遠くから見守っていました。
昨年に続き、今年も陸上が得意な6団スカウトがなんと1時56分に到着。圧倒的な強さを見せました。
8位以内が入賞ということで、4時23分に8位のスカウト2名が同時に到着するまで、待機中のリーダーたちは気もそぞろ。先に到着したスカウトにうどんを振舞ったり、休憩場所を指示しながら、情報に注目していました。
8位スカウト到着からわずか2分後に9位のスカウトが2名駆け込み、それから続々とスカウトが到着しました。惜しくも途中でリタイアしてしまったスカウトもいたし、タイムアップ過ぎて駆け込んできたスカウトもいます。
でも、一睡もせず静まり返った世田谷を駆け抜けながら、仲間とともにあることや自分の持っている力、待ち受けてくれていた仲間、いろいろなことを感じてきたこと、そのことが彼らの心の糧になったのは間違いありませんね。

「家に帰って、とにかく風呂!そして寝ます!」と笑顔で帰っていったベンチャースカウトたち。
中には「これから文化祭なんです」なんて言うスカウトも。
また来年、力を蓄えた姿を楽しみにしています!
素晴らしい夜を、どうもありがとうございました。